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環境の把握¶
本章では、作業環境を設定し、クラウドの全体像を概観するのに役立つ内容を記載します。
管理目的での OpenStack Dashboard の使用¶
クラウドの管理ユーザーとして OpenStack Dashboard を使用して、プロジェクト、ユーザー、イメージ、フレーバーの作成および管理を行うことができます。ユーザーは Image service の設定に応じて、指定されたプロジェクト内でイメージを作成/管理したり、共有したりすることができます。通常、ポリシーの設定では、管理ユーザーのみがクォータの設定とサービスの作成/管理を行うことができます。ダッシュボードには 管理 タブがあり、 システムパネル と ユーザー管理タブ に分かれています。これらのインターフェースにより、システム情報と使用状況のデータにアクセスすることができるのに加えて、エンドユーザーが実行可能な操作を設定することもできます。管理ユーザーとしてダッシュボードを使用する方法についての詳しい説明は Horizon Administrator Guide を参照してください。
コマンドラインツール¶
管理には、OpenStack コマンドラインインターフェース (CLI) ツールと OpenStack Dashboard を組み合わせて使用することをお勧めします。他のクラウドテクノロジーの使用経験のある一部のユーザーは、EC2 互換 API を使用している可能性があります。この API は、ネイティブの API とは若干異なる命名規則を採用しています。
pip ユーティリティは、PyPI アーカイブからのパッケージインストールの管理に使用するツールで、大半の Linux ディストリビューションの python-pip パッケージに含まれています。各 OpenStack プロジェクトにはそれぞれ独自のクライアントがありますが、それらは共通の OpenStack クライアントにより置き換えられていきます。一般的に、OpenStack クライアントをインストールすることが推奨されます。
OpenStack コマンドラインクライアントのインストール¶
For instructions on installing, upgrading, or removing command-line clients, see the Install the OpenStack command-line client.
注釈
クラウド上で EC2 API をサポートする場合には、ユーザーと同じビューを表示できるように、euca2ools パッケージまたはその他の EC2 API ツールもインストールする必要があります。EC2 API ベースのツールの使用に関する内容の大半は本ガイドの対象範囲外となりますが、このツールで使用する認証情報の取得方法についての説明は記載しています。
管理系コマンドラインツール¶
*-manage
のコマンドラインツールも複数あります。これらは、プロジェクトのサービスとともにクラウドコントローラーにインストールされるので、別途インストールする必要はありません。
nova-manage
glance-manage
keystone-manage
cinder-manage
前述の CLI ツールとは異なり、 *-manage
ツールは、クラウドコントローラーから root として実行する必要があります。これは、 /etc/nova/nova.conf
などの設定ファイルへの読み取りアクセスが必要で、かつ OpenStack API エンドポイント に対してではなくデータベースに対して直接クエリーを実行しなければならないからです。
警告
*-manage
ツールの存在は、レガシーの問題です。OpenStack プロジェクトでは、最終的には *-manage
ツールの残りの機能をすべて API ベースのツールに移行することを目標としています。移行が完了するまで、*-manage
ツールを必要とするメンテナンス操作は、 クラウドコントローラーノード に SSH 接続して実行する必要があります。
認証情報の取得方法¶
コマンドラインツールを使用して OpenStack クラウドに対してクエリーを実行するには、適切な認証情報が必要です。コマンドラインクライアントで使用する 認証 のクレデンシャルを取得する最も簡単な方法は、OpenStack ダッシュボードを使用する方法です。 プロジェクト を選択し、 プロジェクト タブをクリックし、 コンピュート カテゴリーにある アクセスとセキュリティ をクリックします。 アクセスとセキュリティ ページにおいて、 API アクセス タブをクリックして、 OpenStack RC ファイルのダウンロード と EC2 認証情報のダウンロード の 2 つのボタンを表示します。これらのボタンにより、コマンドラインツールがサービスエンドポイントと認証情報の場所を知るのに必要な環境変数を読み込むために、シェルで元データとして使用することのできるファイルを生成することができます。ダッシュボードにログインしたユーザーによって、openrc ファイルのファイル名が決定します (例: demo-openrc.sh
)。admin としてログインした場合には、ファイル名は admin-openrc.sh
となります。
出力は以下のようになります。
#!/usr/bin/env bash
# To use an OpenStack cloud you need to authenticate against the Identity
# service named keystone, which returns a **Token** and **Service Catalog**.
# The catalog contains the endpoints for all services the user/tenant has
# access to - such as Compute, Image Service, Identity, Object Storage, Block
# Storage, and Networking (code-named nova, glance, keystone, swift,
# cinder, and neutron).
#
# *NOTE*: Using the 3 *Identity API* does not necessarily mean any other
# OpenStack API is version 3. For example, your cloud provider may implement
# Image API v1.1, Block Storage API v2, and Compute API v2.0. OS_AUTH_URL is
# only for the Identity API served through keystone.
export OS_AUTH_URL=http://203.0.113.10:5000/v3
# With the addition of Keystone we have standardized on the term **project**
# as the entity that owns the resources.
export OS_PROJECT_ID=98333aba48e756fa8f629c83a818ad57
export OS_PROJECT_NAME="test-project"
export OS_USER_DOMAIN_NAME="default"
if [ -z "$OS_USER_DOMAIN_NAME" ]; then unset OS_USER_DOMAIN_NAME; fi
# In addition to the owning entity (tenant), OpenStack stores the entity
# performing the action as the **user**.
export OS_USERNAME="demo"
# With Keystone you pass the keystone password.
echo "Please enter your OpenStack Password for project $OS_PROJECT_NAME as user $OS_USERNAME: "
read -sr OS_PASSWORD_INPUT
export OS_PASSWORD=$OS_PASSWORD_INPUT
# If your configuration has multiple regions, we set that information here.
# OS_REGION_NAME is optional and only valid in certain environments.
export OS_REGION_NAME="RegionOne"
# Don't leave a blank variable, unset it if it was empty
if [ -z "$OS_REGION_NAME" ]; then unset OS_REGION_NAME; fi
export OS_INTERFACE=public
export OS_IDENTITY_API_VERSION=3
警告
この場合には、パスワードがプレーンテキスト形式で保存されないのがこの方法の利点となりますが、このスクリプトを元データとして使用したり、実行したりする際には、パスワードが要求され、その回答は環境変数 OS_PASSWORD
に保存されます。この操作は対話的に実行される必要がある点は、注意すべき重要なポイントです。 操作を非対話的に行う必要がある場合には、値をスクリプトに直接に保存することも可能ですが、その場合にはこのファイルのセキュリティとアクセス権を極めて慎重に管理する必要があります。
EC2 互換のクレデンシャルをダウンロードするには、 プロジェクト 、 コンピュート 、 アクセスとセキュリティ 、 API アクセス の順に選択し、 EC2 認証情報のダウンロード ボタンを表示します。このボタンをクリックすると、 サーバーの x509 証明書とシェルスクリプトフラグメントが含まれた ZIP が生成されます。これらのファイルは、デフォルトの user-openrc
とは異なり、クラウドのアイデンティティへのアクセスに必要なすべての認証情報を含む有効なクレデンシャルなので、セキュリティ保護された場所に新規ディレクトリを作成して、そこで ZIP ファイルを展開します。cacert.pem
、cert.pem
、ec2rc.sh
、および pk.pem
が含まれているはずです。ec2rc.sh
には、以下と似たような内容が記述されています。
#!/bin/bash
NOVARC=$(readlink -f "${BASH_SOURCE:-${0}}" 2>/dev/null) ||\
NOVARC=$(python -c 'import os,sys; \
print os.path.abspath(os.path.realpath(sys.argv[1]))' "${BASH_SOURCE:-${0}}")
NOVA_KEY_DIR=${NOVARC%/*}
export EC2_ACCESS_KEY=df7f93ec47e84ef8a347bbb3d598449a
export EC2_SECRET_KEY=ead2fff9f8a344e489956deacd47e818
export EC2_URL=http://203.0.113.10:8773/services/Cloud
export EC2_USER_ID=42 # nova does not use user id, but bundling requires it
export EC2_PRIVATE_KEY=${NOVA_KEY_DIR}/pk.pem
export EC2_CERT=${NOVA_KEY_DIR}/cert.pem
export NOVA_CERT=${NOVA_KEY_DIR}/cacert.pem
export EUCALYPTUS_CERT=${NOVA_CERT} # euca-bundle-image seems to require this
alias ec2-bundle-image="ec2-bundle-image --cert $EC2_CERT --privatekey \
$EC2_PRIVATE_KEY --user 42 --ec2cert $NOVA_CERT"
alias ec2-upload-bundle="ec2-upload-bundle -a $EC2_ACCESS_KEY -s \
$EC2_SECRET_KEY --url $S3_URL --ec2cert $NOVA_CERT"
EC2 認証情報を環境に適用するには、 ec2rc.sh
ファイルを元データとします。
API コールの検査¶
コマンドラインツールに --debug
フラグを渡すことにより、実行する OpenStack API コールを表示することができます。例えば、以下のようになります。
# openstack --debug server list
この例は、クライアントからのHTTPリクエストとエンドポイントからのレスポンスを表示しています。これはOpenStack APIを使ったカスタムツールを作る際に役立ちます。
cURL を使用したさらなる検査¶
コマンドラインツールの使用の根底にあるのは、HTTP を介して実行する RESTful API である OpenStack API です。API と直接対話を行いたい場合や、CLI ツールにバグがあることが疑われるために使用する必要がある場合があります。この場合の最善の対処方法は、 cURL と jq などの他のツールを組み合わせて使用し、その応答から JSON を解析することです。
まずはじめに、クラウドの認証が必要です。あなたの認証情報を用いて 認証トークン を入手してください。
認証情報はユーザー名、パスワード、テナント (プロジェクト) の組み合わせです。これらの値は、前述の openrc.sh
から抽出することができます。トークンにより、要求ごとに再認証する必要なく他のエンドポイントとの対話を行うことができます。トークンは通常 24 時間有効です。期限が切れると、401 (Unauthorized) の応答で警告され、トークンをもう 1 つ要求することができます。
それではOpenStack サービス カタログ を見てみましょう。
$ curl -s -X POST http://203.0.113.10:35357/v2.0/tokens \ -d '{"auth": {"passwordCredentials": {"username":"test-user", "password":"test-password"}, "tenantName":"test-project"}}' \ -H "Content-type: application/json" | jq .
JSONレスポンスを読むことで、カタログを把握することができます。
次の要求での作業をより簡単に行うには、環境変数にトークンを保管します。
$ TOKEN=`curl -s -X POST http://203.0.113.10:35357/v2.0/tokens \ -d '{"auth": {"passwordCredentials": {"username":"test-user", "password":"test-password"}, "tenantName":"test-project"}}' \ -H "Content-type: application/json" | jq -r .access.token.id`
これで、コマンドラインでトークンを
$TOKEN
として参照できるようになりました。サービスカタログから、サービスエンドポイント (例: コンピュート) を選択します。要求を試します。例えば、インスタンス (サーバー) の一覧表示を行います。
$ curl -s \ -H "X-Auth-Token: $TOKEN" \ http://203.0.113.10:8774/v2.0/98333aba48e756fa8f629c83a818ad57/servers | jq .
To discover how API requests should be structured, read the OpenStack API Reference. To chew through the responses using jq, see the jq Manual.
上記の cURL コマンドで使用している -s flag
は、進行状況メーターが表示されないようにするために使用します。cURL コマンドの実行で問題が生じた場合には、このオプションを削除してください。また、cURL コマンドのトラブルシューティングを行う場合には、 -v
フラグを指定してより詳細な出力を表示すると役立ちます。cURL には他にも多数の役立つ機能があります。全オプションは、man ページで参照してください。
サーバーとサービス¶
管理者は、利用可能な OpenStack ツールを使用して、OpenStack クラウドが全体像を確認する方法がいくつかあります。本項では、クラウドの概要、形態、サイズ、現在の状態についての情報を取得する方法について説明します。
まず、あなたのOpenStackクラウドに属し、稼働しているサーバーを把握することができます。
# openstack compute service list --long
出力は以下のようになります。
+----+------------------+-------------------+------+---------+-------+----------------------------+-----------------+
| Id | Binary | Host | Zone | Status | State | Updated_at | Disabled Reason |
+----+------------------+-------------------+------+---------+-------+----------------------------+-----------------+
| 1 | nova-cert | cloud.example.com | nova | enabled | up | 2016-01-05T17:20:38.000000 | - |
| 2 | nova-compute | c01.example.com | nova | enabled | up | 2016-01-05T17:20:38.000000 | - |
| 3 | nova-compute | c01.example.com. | nova | enabled | up | 2016-01-05T17:20:38.000000 | - |
| 4 | nova-compute | c01.example.com | nova | enabled | up | 2016-01-05T17:20:38.000000 | - |
| 5 | nova-compute | c01.example.com | nova | enabled | up | 2016-01-05T17:20:38.000000 | - |
| 6 | nova-compute | c01.example.com | nova | enabled | up | 2016-01-05T17:20:38.000000 | - |
| 7 | nova-conductor | cloud.example.com | nova | enabled | up | 2016-01-05T17:20:38.000000 | - |
| 8 | nova-cert | cloud.example.com | nova | enabled | up | 2016-01-05T17:20:42.000000 | - |
| 9 | nova-scheduler | cloud.example.com | nova | enabled | up | 2016-01-05T17:20:38.000000 | - |
| 10 | nova-consoleauth | cloud.example.com | nova | enabled | up | 2016-01-05T17:20:35.000000 | - |
+----+------------------+-------------------+------+---------+-------+----------------------------+-----------------+
出力には、5 つのコンピュートノードと 1 つのクラウドコントローラーが表示されています。すべてのサービスが up 状態であることが分かります。 UP 状態は、サービスが起動しており稼働中であることを示します。あるサービスが down 状態の場合、そのサービスは利用できません。この場合は、サービスが停止している理由をトラブルシューティングする必要があります。
cinder を使用している場合は、次のコマンドを実行して同様の一覧を表示します。
# cinder-manage host list | sort
host zone
c01.example.com nova
c02.example.com nova
c03.example.com nova
c04.example.com nova
c05.example.com nova
cloud.example.com nova
これら2つの表で、どのサーバーとサービスがあなたのクラウドを構成しているのか、概要を知ることができました。
また、Identity サービス (keystone) を使用してクラウドで利用可能なサービスと、サービス用に設定済みのエンドポイントを確認することもできます。
以下のコマンドを実行するには、管理系の変数を正しく設定したシェル環境が必要です。
$ openstack catalog list
+----------+------------+---------------------------------------------------------------------------------+
| Name | Type | Endpoints |
+----------+------------+---------------------------------------------------------------------------------+
| nova | compute | RegionOne |
| | | public: http://192.168.122.10:8774/v2/9faa845768224258808fc17a1bb27e5e |
| | | RegionOne |
| | | internal: http://192.168.122.10:8774/v2/9faa845768224258808fc17a1bb27e5e |
| | | RegionOne |
| | | admin: http://192.168.122.10:8774/v2/9faa845768224258808fc17a1bb27e5e |
| | | |
| cinderv2 | volumev2 | RegionOne |
| | | public: http://192.168.122.10:8776/v2/9faa845768224258808fc17a1bb27e5e |
| | | RegionOne |
| | | internal: http://192.168.122.10:8776/v2/9faa845768224258808fc17a1bb27e5e |
| | | RegionOne |
| | | admin: http://192.168.122.10:8776/v2/9faa845768224258808fc17a1bb27e5e |
| | | |
上記の出力は、2 つのサービスのみを表示するようにカットされています。クラウドが提供するサービスごとにサービスエントリーが 1 つ表示されているのがわかります。エンドポイントタイプによってエンドポイントドメインが異なる場合がある点に注意してください。タイプによってエンドポイントドメインを別にする必要はありませんが、エンドポイントのプライバシーやネットワークトラフィックの分離などの異なる理由で分けることができます。
以下の OpenStack コマンドラインクライアントを使用して、インストールされている Compute のバージョンを確認できます。
# openstack --version
コンピュートノードの診断¶
実行中の仮想マシンの CPU 使用状況、メモリー、ディスク I/O、ネットワーク I/O などの追加情報を取得するには、 nova diagnostics
コマンドにサーバー ID を指定して実行します:
$ nova diagnostics <serverID>
ハイパーバイザーによってサポートする属性が異なるため、コマンドの出力はハイパーバイザーによって異なります。以下の実例は、最もよく使用されている 2 つのハイパーバイザーの間で出力がどのように異なるかを示しています。ハイパーバイザーが Xen の場合の例は以下のようになります。
+----------------+-----------------+
| Property | Value |
+----------------+-----------------+
| cpu0 | 4.3627 |
| memory | 1171088064.0000 |
| memory_target | 1171088064.0000 |
| vbd_xvda_read | 0.0 |
| vbd_xvda_write | 0.0 |
| vif_0_rx | 3223.6870 |
| vif_0_tx | 0.0 |
| vif_1_rx | 104.4955 |
| vif_1_tx | 0.0 |
+----------------+-----------------+
このコマンドは、libvirt によって管理されている任意のハイパーバイザー (例: KVM、QEMU、LXC) で機能するはずですが、KVM でのみテスト済みです。ハイパーバイザーが KVM の場合の例は以下のようになります。
+------------------+------------+
| Property | Value |
+------------------+------------+
| cpu0_time | 2870000000 |
| memory | 524288 |
| vda_errors | -1 |
| vda_read | 262144 |
| vda_read_req | 112 |
| vda_write | 5606400 |
| vda_write_req | 376 |
| vnet0_rx | 63343 |
| vnet0_rx_drop | 0 |
| vnet0_rx_errors | 0 |
| vnet0_rx_packets | 431 |
| vnet0_tx | 4905 |
| vnet0_tx_drop | 0 |
| vnet0_tx_errors | 0 |
| vnet0_tx_packets | 45 |
+------------------+------------+
ネットワークの検査¶
クラウドでどの Fixed IP ネットワークが設定されているかを確認するために、 openstack コマンドラインクライアントを使用して IP アドレスの範囲を取得することができます。
$ openstack subnet list
+--------------------------------------+----------------+--------------------------------------+-----------------+
| ID | Name | Network | Subnet |
+--------------------------------------+----------------+--------------------------------------+-----------------+
| 346806ee-a53e-44fd-968a-ddb2bcd2ba96 | public_subnet | 0bf90de6-fc0f-4dba-b80d-96670dfb331a | 172.24.4.224/28 |
| f939a1e4-3dc3-4540-a9f6-053e6f04918f | private_subnet | 1f7f429e-c38e-47ba-8acf-c44e3f5e8d71 | 10.0.0.0/24 |
+--------------------------------------+----------------+--------------------------------------+-----------------+
OpenStack コマンドラインクライアントでは、もう少し詳しい情報が得られます。
# openstack compute service list
+----+------------------+------------+----------+---------+-------+----------------------------+
| Id | Binary | Host | Zone | Status | State | Updated At |
+----+------------------+------------+----------+---------+-------+----------------------------+
| 1 | nova-consoleauth | controller | internal | enabled | up | 2016-08-18T12:16:53.000000 |
| 2 | nova-scheduler | controller | internal | enabled | up | 2016-08-18T12:16:59.000000 |
| 3 | nova-conductor | controller | internal | enabled | up | 2016-08-18T12:16:52.000000 |
| 7 | nova-compute | controller | nova | enabled | up | 2016-08-18T12:16:58.000000 |
+----+------------------+------------+----------+---------+-------+----------------------------+
この出力は、2 つのネットワークが設定されており、各ネットワークには 255 の IP アドレス (/24 サブネットが 1 つ) が含まれていることを示しています。1 番目のネットワークは、特定のプロジェクトに割り当て済みですが、2 番目のネットワークはまだ割り当てができる状態です。このネットワークは手動で割り当てることができます。手動での割り当てを行わなかった場合には、プロジェクトで最初のインスタンスが起動されたときに自動で割り当てられます。
クラウドに利用可能な Floating IP アドレスがあるかどうかを確認するには、以下のコマンドを実行します。
# openstack floating ip list
+--------------------------------------+---------------------+------------------+--------------------------------------+
| ID | Floating IP Address | Fixed IP Address | Port |
+--------------------------------------+---------------------+------------------+--------------------------------------+
| 340cb36d-6a52-4091-b256-97b6e61cbb20 | 172.24.4.227 | 10.2.1.8 | 1fec8fb8-7a8c-44c2-acd8-f10e2e6cd326 |
| 8b1bfc0c-7a91-4da0-b3cc-4acae26cbdec | 172.24.4.228 | None | None |
+--------------------------------------+---------------------+------------------+--------------------------------------+
この場合は、2 つの Floating IP アドレスが利用可能です。最初の IP アドレスはプロジェクトに確保されていますが、もう一方は確保されていません。
ユーザーとプロジェクト¶
クラウドに追加されたプロジェクトの一覧を確認するには、以下のコマンドを実行します:
$ openstack project list
+----------------------------------+--------------------+
| ID | Name |
+----------------------------------+--------------------+
| 422c17c0b26f4fbe9449f37a5621a5e6 | alt_demo |
| 5dc65773519248f3a580cfe28ba7fa3f | demo |
| 9faa845768224258808fc17a1bb27e5e | admin |
| a733070a420c4b509784d7ea8f6884f7 | invisible_to_admin |
| aeb3e976e7794f3f89e4a7965db46c1e | service |
+----------------------------------+--------------------+
ユーザーのリストを見るためには、
$ openstack user list
+----------------------------------+----------+
| ID | Name |
+----------------------------------+----------+
| 5837063598694771aedd66aa4cddf0b8 | demo |
| 58efd9d852b74b87acc6efafaf31b30e | cinder |
| 6845d995a57a441f890abc8f55da8dfb | glance |
| ac2d15a1205f46d4837d5336cd4c5f5a | alt_demo |
| d8f593c3ae2b47289221f17a776a218b | admin |
| d959ec0a99e24df0b7cb106ff940df20 | nova |
+----------------------------------+----------+
注釈
ユーザーとグループは、一対一でマッピングされる場合があります。このようなマッピングは cinder、glance、nova、swift などの標準システムアカウントや、グループにユーザーが 1 人しかいない場合に発生します。
稼働中のインスタンス¶
実行中のインスタンスを確認するには、以下のコマンドを実行します:
$ openstack server list --all-projects
+--------------------------------------+------+--------+---------------------+------------+
| ID | Name | Status | Networks | Image Name |
+--------------------------------------+------+--------+---------------------+------------+
| 495b4f5e-0b12-4c5a-b4e0-4326dee17a5a | vm1 | ACTIVE | public=172.24.4.232 | cirros |
| e83686f9-16e8-45e6-911d-48f75cb8c0fb | vm2 | ACTIVE | private=10.0.0.7 | cirros |
+--------------------------------------+------+--------+---------------------+------------+
残念ながら、このコマンドは、インスタンスを実行しているコンピュートノードやインスタンスのフレーバーなどのような、実行中のインスタンスについての多様な情報は提供しません。個別のインスタンスについての詳しい情報を確認するには以下のコマンドを使用してください。
$ openstack server show <uuid>
例えば
# openstack server show 81db556b-8aa5-427d-a95c-2a9a6972f630
+--------------------------------------+----------------------------------------------------------+
| Field | Value |
+--------------------------------------+----------------------------------------------------------+
| OS-DCF:diskConfig | AUTO |
| OS-EXT-AZ:availability_zone | nova |
| OS-EXT-SRV-ATTR:host | c02.example.com |
| OS-EXT-SRV-ATTR:hypervisor_hostname | c02.example.com |
| OS-EXT-SRV-ATTR:instance_name | instance-00000001 |
| OS-EXT-STS:power_state | Running |
| OS-EXT-STS:task_state | None |
| OS-EXT-STS:vm_state | active |
| OS-SRV-USG:launched_at | 2016-10-19T15:18:09.000000 |
| OS-SRV-USG:terminated_at | None |
| accessIPv4 | |
| accessIPv6 | |
| addresses | private=10.0.0.7 |
| config_drive | |
| created | 2016-10-19T15:17:46Z |
| flavor | m1.tiny (1) |
| hostId | 2b57e2b7a839508337fb55695b8f6e65aa881460a20449a76352040b |
| id | e83686f9-16e8-45e6-911d-48f75cb8c0fb |
| image | cirros (9fef3b2d-c35d-4b61-bea8-09cc6dc41829) |
| key_name | None |
| name | test |
| os-extended-volumes:volumes_attached | [] |
| progress | 0 |
| project_id | 1eaaf6ede7a24e78859591444abf314a |
| properties | |
| security_groups | [{u'name': u'default'}] |
| status | ACTIVE |
| updated | 2016-10-19T15:18:58Z |
| user_id | 7aaa9b5573ce441b98dae857a82ecc68 |
+--------------------------------------+----------------------------------------------------------+
この出力は、 devstack
という名前のインスタンスが Ubuntu 12.04 イメージから m1.small
のフレーバーで作成され、コンピュートノード c02.example.com
でホストされていることを示しています。
概要¶
クラウドとの対話や有用な情報の抽出の方法など、作業環境の概観を確認する手順を簡単にご紹介しました。役立てていただければ幸いです。ここで説明した内容よりもさらに詳しい情報は、クラウドの全コマンドライン機能についての参考資料として`OpenStack 管理ガイド <https://docs.openstack.org/latest/admin/>`_ を参照してください。